連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ─新しい仕組みをつくろう・8
職場のメンタルヘルスの現状と課題―わが国の課題と国際的動向の分析
川上 憲人
1
1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
pp.896-899
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102586
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職場のメンタルヘルスを取り巻く様々な状況を,国内および国際動向の両面から概観し,わが国の職場のメンタルヘルスの課題を整理した.国内では,経営・組織要因のメンタルヘルスへの影響,不安定雇用労働者のメンタルヘルス,増加するメンタルヘルス不調者の職場復帰の支援が課題として挙げられた.国際動向としては,職業性ストレス対策の欧州枠組みに見られる職場のメンタルヘルスにおけるPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)の重要性と,英国国立医療技術評価機構のガイドラインが推奨するポジティブなメンタルヘルスを目指した取り組み,オランダの科学的根拠に基づく復職支援プログラムが重要と思われた.国際的動向と調和させながら,わが国における職場のメンタルヘルス対策の新しい枠組みを考えるべき時期にある.
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