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3月18~23日まで,第30回国際産業衛生学会(ICOH)が開催されました(http://www.icohcongress2012cancun.org/).カンクンはカリブ海に面した高級メキシカンリゾートで,日本から直行便はなく,ダラス経由で向かうこと16時間.この常夏のリゾート地に世界各国から産業医・産業看護職・衛生管理者・研究者・行政・NGO関係者など,1,645名の産業保健に関わるあらゆる職種が参加し,日本からも96名と世界5位(アジア最大)の参加者が集いました.メインテーマは,“Occupational Health for All:From research to practice”(産業保健をすべての人へ:研究から実践へ).このテーマは「世界中のすべての労働者に,人,労働者としての権利に基づき,あらゆる職業病や外傷からの防御と予防が必要である」という強い信念に基づいて設定されたもので,そのために新しい科学的情報に基づく革新的なガイドライン,新しいアプローチや施策,トレーニングコースが提供されるべきとしています.
学会初日(3月18日)のオープニングセレモニーでは,軍による歓迎パレードが行われた後,Jorge A. Morales-Camino学会長の挨拶が行われました.メキシコでは95%の産業保健サービスは,全労働者の1/3程度の経済的に恵まれている層に対して行われているとし,さながら「社会保障システムのブラックホール」であると述べられ,あらためてメインテーマを強調されました.続いてICOH理事長の小木和孝先生から歓迎のご挨拶,その後,WHO(世界保健機関),ILO(国際労働機関)の他,IEA(人間工学国際連盟),IOHA(国際衛生管理者連盟),ISSA(国際社会保障協会)などの関係機関から次々にお祝いの言葉や謝辞が述べられました.
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