予防と臨床のはざまで
「さんぽ会」2月月例会「5年目を迎える特定保健指導」報告
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.304
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102406
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多職種産業保健スタッフの研究会である「さんぽ会」(http://sanpokai.umin.jp/)ですが,ここ数年,生活習慣病・メタボ対策について継続的に議論を行ってきました.2月の月例会は「5年目を迎える特定保健指導~課題と制度改正の方向性」をテーマに,実際に特定保健指導を行っている健保組合や保健指導機関の方に集まって頂き,現場の視点で「やってよかったことと課題をしっかり議論しよう!」という主旨で開催し,会場の保健同人社には90名を超える様々な職種の方が集まりました.
まず私から,国の制度改正の方向性と,今までの「さんぽ会」での議論の振り返りを説明しました.制度開始直後の2008年のアンケート調査からは,特定健診の課題として「XMLデータへの移行,被扶養者の受診率の低さ,制度自体の準備不足」,特定保健指導の課題として「保健指導スキルやマンパワーの不足,重症域の受診勧奨やがん・メンタルなどの困難事例への対応,積極的支援の継続率の低さ」を指摘しました.また,2010年秋のNPO日本健康教育士養成機構との合同シンポジウムでは,制度開始後のよかった点について「専門職のスキルアップに役立ち,健保組合へのデータ集積により,喫煙率や未受診の状況が可視化された」などの意見が出されました.このような議論を踏まえ,次に「やってよかったことと課題」と題して,保健指導実施機関や健保組合から5人の方に発表を頂きました.
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