予防と臨床のはざまで
さんぽ会4月月例会「新型コロナと生活習慣病」
福田 洋
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1順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学講座
pp.560
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209680
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4月8日に,さんぽ会(多職種産業保健スタッフの研究会,http://sanpokai.umin.jp/)の4月月例会「新型コロナと生活習慣病」が開催されました.新型コロナウイルスの感染拡大から1年が経過し,種々のエビデンスが蓄積されてきました.新型コロナと生活習慣病は双方向の関連があります.1つは,入院治療時やワクチン接種時の基礎疾患で話題になる重症化のリスクとしての生活習慣病で,「生活習慣病→新型コロナ」のように図示されます.もう1つは「新型コロナ→生活習慣病」で,長引く在宅勤務による身体・精神へのストレス,食事や運動,睡眠,飲酒,喫煙などの生活習慣への健康影響で,こちらも1年で種々のエビデンスが蓄積されてきています.これら両方について,エビデンスの整理,共有と議論をしようということで,コーディネーターが事前に準備を進めてきました.
まずリレー講演として5人の演者が発表しました.最初に糖尿病専門医である佐藤文彦氏(Basical Health産業医事務所)から「新型コロナの重症化リスクとしての生活習慣病」と題して,糖尿病,肥満,高尿酸血症,脂肪肝,高血圧,慢性閉塞性肺疾患(COPD),慢性腎臓病(CKD)など種々の生活習慣病による新型コロナの重症化リスクについて解説がありました.特に糖尿病では良好な血糖管理が死亡リスク低下に重要で,日頃の通院・服薬が大事であり,同氏作成の「コロナ禍において身を守る10か条」も提言されました.
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