- 有料閲覧
- 文献概要
このコラムでも幾度となく取り上げてきた多職種産業保健スタッフの研究会、さんぽ会(http://sanpokai.umin.jp/)の2022年7月月例会のテーマは「健康教育DXとヘルスリテラシー」。DX(デジタルトランスフォーメーション)は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」概念のことで、2004年にエリック・ストルターマン教授(スウェーデン)により提唱されました。日本では2018年の「DX推進ガイドライン」(経済産業省)により認知が進み、さらに2020年からの新型コロナ流行によるワークスタイルの変化がDXに拍車をかけています。さんぽ会でも2019年に「専門職向け動画作成ワークショップ」、2020年に「コロナで変わる健康教育ヘルスプロモーション」をテーマに夏季セミナーを開催し、デジタルヘルスプロモーションの重要性について認識を深めてきました。
今回の月例会では、企業における健康教育のデジタル化と今後の展望について、実例を交えながら議論を行いました。最初に菊地敬二氏(株式会社バリューHR)より「くうねるあるく+ふせぐの概要と評価」と題して、ICT(information and communication technology)、インセンティブ、ナッジを用いたWebベースのヘルスリテラシー向上・生活習慣改善プログラムを解説していただきました。分かっちゃいるけど変わらない従業員に対し、一コマ漫画入りの毎日メルマガ、面白くためになる動画コンテンツ、企業対抗ウォーキング、ごほうびカフェテリア(Amazonポイント)などの8つのコンテンツを含むプログラムを提供し、毎年1万人以上の参加者を集めています。メルマガ開封率や動画視聴率でプロセス評価を行い、ヘルスリテラシーやくう(食事)・ねる(睡眠)・あるく(運動)の各指標が改善するなど、評価にも結果が表れています。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.