予防と臨床のはざまで
さんぽ会×NPO健康教育士養成機構共催,特定保健指導シンポジウム
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.164
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102042
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2010年11月12日に順天堂大学にて,「働く人の健康支援~健保,事業所,医療専門職ができること~特定保健指導がもたらしたものから考える」と題したシンポジウムを開催しました.多職種産業保健スタッフの会「さんぽ会」(http://sanpokai.iza-yoi.net/)とNPO健康教育士養成機構が共催で行ったもので,日本健康教育学会の後援も頂き,健保関係者,産業保健スタッフ,アウトソーシング先など,特定保健指導に関わるあらゆる人々117名が参加しました.
まず主題総説として飯島美世子氏(東京工科大学産業保健実践研究センター)が,特定保健指導の光と影について解説されました.制度の周知不足やデータのXML化に伴う混乱,受診率・実施率・継続率の伸び悩み,重症域・メンタル・がんの合併などの困難事例の存在,40歳では予防施策として遅すぎる点など課題(影)を列挙するとキリがありませんが,一方で「メタボ」という言葉が広まった点,保健指導技術が浸透した点,喫煙率をはじめとする様々なデータが健保に集積した点など,職域にもたらされたメリット(光)も感じられています.10月に公表された日本公衆衛生学会の「特定健診・特定保健指導に対する要望書案」も踏まえ,今後は従業員・事業所・健保の3者にメリットある取り組みが求められる,とまとめて頂きました.
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