特集 分権型社会における公衆衛生の課題―現場知と専門知の保証
東京都における公衆衛生医師育成の現状と課題―現場知と専門知
前田 秀雄
1
1東京都福祉保健局保健政策部
pp.677-680
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102204
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はじめに
東京都は,1,200万人の住民が居住し,23特別区と2政令市25市町村から構成され,首都機能を持つ世界有数の大都市とベッドタウン中心の多摩地域,自然豊かな島しょ地域が併存する特異な自治体である.こうした地理的社会的要因に応じて,住民の健康意識も多様化の状況にある.
また,特別区,保健所設置市には県に匹敵する人口を有する自治体もあり,近年の地方分権志向の高まりと共に,独自の政策方針を掲げる傾向が強くなっている.
このため,公衆衛生医師の主な配属先である保健所の立場,役割も地域の状況により非常に異なっており,公衆衛生医師は,技術職としての「専門知」と行政職としての「現場知」の整合性を図りながら,地域や所属する自治体の実情に応じた公衆衛生対策を展開する能力を強化する必要性に迫られている.
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