特集 病院の医師確保戦略
医師確保の現状と今後
土屋 了介
1,2
1公益財団法人 がん研究会
2公益財団法人 東京財団
キーワード:
医師確保
,
専門医
,
家庭医
Keyword:
医師確保
,
専門医
,
家庭医
pp.102-106
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102195
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わが国の医師数は文部科学省による医学部の入学者数と,厚生労働省による医師国家試験の合格者数によって調整されている.医師国家試験の合格率は比較的高率であるので,医師数の増減は医学部の合格者数(定員)によって論じられることになる.舛添要一元厚生労働大臣によって開催された“「安心と希望の医師確保ビジョン」具体化に関する検討会”において医師数の増加を議論し,現状の医師数の1.5倍にするよう結論した際にも,医学部の定員を増加するものと理解された.医学部定員の増加に反対する人のみならず賛成する人でも,医学部定員の増加によって医師数が増加するまでには10年以上の歳月を要するとの認識である.したがって,現状の医師不足の解決は他の方法を考慮する必要がある.
一方,臨床研修制度の導入によって,すでに低下が指摘されていた大学医局による市中病院への医師派遣機能がさらに低下し,多くの市中病院が医師確保に苦労する状況が続いている.
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