映画の時間
祈るように待ちつづけた 冬の小鳥
桜山 豊夫
pp.853
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101936
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児童虐待の痛ましい事件が続きます.保護が必要な子どもを預かる施設として児童擁護施設がありますが,今月は韓国の児童擁護施設を舞台にした「冬の小鳥」をご紹介します.
1970年代の韓国,9歳の少女ジニ(キム・セロン)が父親と一緒に旅行に出かける場面から映画は始まります.新調されたよそ行きの服,お土産のケーキ,どこへ行くのだろうと思っていると,到着したのはカトリック系の孤児院(児童擁護施設)のようです.主人公のジニを残して父親は去っていきます.状況が把握できない主人公のジニ.その感覚を観客も共有していくことになる見事な導入シーンです.
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