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あとがき
阿彦 忠之
pp.726
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101889
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新型インフルエンザの勃発から1年以上経過しました.これを未だに「新型」と呼んでいるのは日本だけ?…ということで,本特集の題名には「パンデミックインフルエンザ2009」を用いました.贅沢すぎるとも言える執筆者の先生方からご協力をいただき,将来(次のパンデミック)に向けた「検証」という企画趣旨にそった,充実した特集号となりました.
検証ということでは,国でも新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議を開催し,その報告書が厚生労働省への提言という形で6月に公表されました.期待して読んだのですが,提言中心のまとめ方であったためか,対策の評価・検証についての記載が少なく,臨場感に乏しい内容でした.その後に本特集の玉稿を通読すると,予防や医療の現場の声が聞こえるような迫力ある評価結果が含まれており,多角的視点から評価・検証された内容は,総括会議の提言を補完する以上のものと言えます.その意味で今回の特集号は,国の総括会議の報告書と一緒に,厚生労働省や都道府県主管課,および保健所等の書棚に置く価値のある内容であり,将来に向けて活用していただければ幸いです.
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