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あとがき
阿彦 忠之
pp.630
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101621
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「1.57ショック」から20年.私自身の子育て期間とほぼ一致しますが,少子化の更なる進展とその影響については,身近に感じるものが数多くありました.学校の統廃合だけでなく,春の散歩道の景色から「屋根より高い鯉のぼり」がめっきり減ったこと,町内会単位での子ども会行事の廃止,野球などのスポーツ少年団の統廃合,地域伝統の神楽や獅子舞等の無形文化財における子役不足などです.
子は鎹(かすがい)と言われるように,子どもは夫婦間だけでなく,地域住民相互の絆やコミュニケーションの強化を促す働きをします.その意味で少子化は,子ども同士が切磋琢磨し喧嘩しながら社会性を育み成長するという機会を減らすだけでなく,地域内での大人の会話を減らし,人間関係や地域コミュニティの希薄化を招く要因にもなることを,この20年間に肌で感じることができました.
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