特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入
人々の健康問題と自治体の果たす役割
三浦 大助
1
1前長野県佐久市
pp.512-515
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101593
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ピン・ピン・コロリのまちを目指して
「健康長寿都市宣言」
人生は,健康で長生きができればこんな幸せなことはない.最近,私のまち長野県佐久市が,全国でもトップクラスの健康長寿のまちとして注目されるようになった.このことは,平均寿命が全国のトップクラスであるということだけではない.85歳以上の高齢者の人口に占める割合が,全国の2.56%であるのに対し,佐久市では3.95%と高いし,現在100歳以上の人が72人ほどいるが,これは人口10万人当たりの高齢者の人数では,全国平均の3倍にあたる.また,寝たきり者の出現率は,全国平均の半分以下であり,高齢者の認知症の出現率も,全国平均の7.63%に対し,6.82%と低い.特に,問題となっている高齢者の医療費は,1人当たり全国平均が83万2千円であるのに対し,佐久市は65万8千円と少ない.参考までに,ワーストの福岡県の高齢者の医療費は103万円である.
こういう数字を見れば(表),佐久市は単なる長寿のまちではなく,健康で長寿のまちであることが一目瞭然である.
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