特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入
健康都市に向けた自治体の現状と課題―2008年10月23~26日「健康都市連合国際大会」開催から
千葉 光行
1
1千葉県市川市
pp.516-519
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101594
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WHOの健康都市(以下,WHO健康都市)は非常に広い政策的概念を含んだ取り組みです.保健・医療の分野だけでなく,福祉,環境,教育,文化,まちづくりなど幅広い分野の活動により,都市に住む誰に対しても,その人の持てる力を十分に発揮できるような都市環境を提供する都市のことであり,いわば公共政策の中心に健康の視点を据えている都市と言えます.
WHOの健康都市を推進するには,公衆衛生の関係者はもちろんのこと,まちづくりや社会文化などの幅広い関係者の連携が重要となります.千葉県市川市は2004(平成16)年にWHO憲章の精神を尊重した「健康都市市川宣言」を行い,企画部内に健康都市推進課を設置して組織横断的な体制でWHO健康都市を推進してきました.またWHOより3回表彰された実績等が評価され,本市が第3回健康都市連合国際大会の大会開催地に選ばれました.
健康都市連合設立2003(平成15)年から5周年を迎えた節目の年に,健康都市に取り組む世界の仲間たちが市川に集まり,「健康都市市川宣言」を世界に発信できたことは,主催市として輝かしい名誉であり誇りに思います.
本稿では,国際大会の開催経験を踏まえ,自治体の立場から,健康都市の取り組みについて現状と課題を述べたいと思います.
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