特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入
自治体における健康政策の課題と展望―地方自治体の立場から
藤内 修二
1
1大分県福祉保健部健康対策課
pp.502-507
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101591
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自治体の健康政策立案能力は高まったか?
1.バブル崩壊と保健福祉計画
1990年代前半のバブル崩壊まで,自治体の予算は概ね右肩上がりで,保健事業の予算も膨らみ続けた.この時代の政策立案は,今から考えれば,現場の裁量も認められ,国庫補助金がつかなくても,必要な保健事業の予算を獲得することが比較的容易だった.保健師が首長に直談判して,新規事業の予算を獲得したという話もよく聞いた.
しかし,バブル崩壊以来,長く続く税収の落ち込みは地方財政を圧迫してきた.もはや右肩上がりどころか,前年度の予算水準を維持することも困難になり,マイナスシーリングとなることが常態化している.かつてのように必要な保健事業に予算がつく時代は終わり,いかに計画的かつ効率的に保健事業を実施するかが求められるようになった.
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