特集 地域精神保健・医療の今日的課題
地域における精神障害者への包括的支援事例に学ぶ
西尾 雅明
1
,
梁田 英麿
2
1東北福祉大学総合福祉学部
2東北福祉大学せんだんホスピタル
pp.409-412
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101569
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精神障害者の退院促進と地域定着を推進するためには,通院・服薬中断への十分な対応を備えた在宅支援プログラムの充実が必要である.そこでは,ただ単に病状や障害を見るのではなく,多職種による生活・就労支援を含めた包括的なアプローチが求められ,これによって関係作りや通院・服薬への動機付けが可能となる.諸外国ではそのためにACT(Assertive Community Treatment)が普及し,わが国でも試行的な取り組みが各地で行われている1,2).
ACTの構造上の基準(フィデリティ尺度)では,様々な職種をスタッフに入れてプログラムのサイズを大きくし,スタッフ1人あたりの利用者数を10名以下に制限することが求められ,そのような濃密な体制によって包括性と休日・夜間の機動性が担保され,これが入院日数短縮効果につながっている1).
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