連載 研修医とともに学ぶ・6
と畜場および食肉衛生検査所研修~近江牛から食の安全を学ぶ~
嶋村 清志
1
1滋賀県甲賀保健所
pp.749
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101410
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新医師臨床研修制度における「地域保健・医療」の重要なメニューとして対物保健研修があります.公衆衛生の現場では医師や保健師が中心となって対応している,いわゆる対人保健業務だけでなく,獣医師や薬剤師が主に関わっている生活衛生業務について学べることは,大変貴重な方略であると考えています.
そもそも,われわれの生活を根底から支えているものは,安全な水や空気,食品であり,恒常的に処理されている下水や廃棄物処理の上に成り立っているのです.蛇口を開けば当たり前のように安定的に安全な飲料水が供給されている水道や,スーパーでお肉などの食材が普通に買えることに感謝している人はどれだけいるでしょうか.食肉について言えば,自らの命をもって人間の生命を支えてくれている獣畜に対し,感謝の気持ちを持っている人はどれだけいることでしょう.
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