特集 人畜共通伝染病
食肉衛生と人畜共通伝染病
勝部 泰次
1
Yasuji KATSUBE
1
1国立予防衛生研究所獣疫部
pp.410-416
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206101
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■はじめに
われわれ人類は,遠い昔から,動物の肉,内臓を食物として利用してきた.この"肉食"ということは,人の生命,健康にプラスとマイナスの関係を持っている.すなわち,人の生命,健康の維持に不可欠であるタンパク質を補給するという点で,"肉食"は重要な意義を有している.一方,肉,内臓は人に有害な病原体の病原巣あるいは感染源となったり,医薬品,農薬,その他の環境汚染物質など好ましくない化学物質を残留させ,蓄積することがあるといった面で,"肉食"は人の生命,健康にマイナスの働きをする可能性がある.
ここでは食肉(肉および内臓)を介して伝播される人畜共通伝染について,と畜場に運びこまれた食用動物(と畜)における実態を中心として紹介する.
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