連載 本のなる樹・1【新連載】
やさしい牛,かわいい牛,役に立つ牛
さくま ゆみこ
pp.88-89
発行日 2009年1月25日
Published Date 2009/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101370
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- 文献概要
私は長いこと子どもの本にかかわる仕事をしてきた。この頁では,そんななかで出会った,大人が読んでもじゅうぶんおもしろい絵本や童話を中心にご紹介しようと思っている。
今回のキーワードは,今年の干支の「牛」。牛は身近な家畜だが,絵本や童話で主人公になることは意外に少ない。かわいいというには図体が大きすぎることや,強烈なイメージを持ち合わせていないことがその理由だろうか。
とはいえ,牛が主人公になった絵本がないわけではない。
最初に紹介したいのは『はなのすきなうし』。原著の出版は1936年であり,日本語版が最初に出たのも1954年なので,もう半世紀以上も読み継がれてきたことになる。絵本には,時代を超えて読まれてきたベストセラーがたくさんあるが,これもその1冊。
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