特集 性差医療から考える―患者の望む医療とは?
個人の特性に応じた医療(オーダーメイド医療)と予防
羽田 明
1
1千葉大学大学院医学研究院公衆衛生学
pp.754-757
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101144
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オーダーメイド医療とは,本稿のタイトルのとおり個人の特性に応じた医療を意味する.同義語として,個別化医療,個の医療,テーラーメイド医療などがある.狭義には個々人の遺伝(子)情報により,適切な疾病予防法,個々人の体質,病態に適切な薬物などの治療法を選択する医療であるが,広義には年齢,生活習慣,社会的状況,心理的状況,環境をも考慮した医療であり,終末期医療もその範疇に入れても良いだろう.
また,糖尿病,高血圧,骨粗鬆症など,易罹患性にも個人差がある.個々人の疾病予防を考える上で,個人差を考慮に入れたオーダーメイド健康管理法の開発も,ますます重要になると思われる.
現在,すでに実際の医療に応用され始めたオーダーメイド医療は,薬剤選択に関する医療である.薬に対する反応性の個人差をヒトゲノム情報,ゲノム解析技術を用いて解析する概念をファーマコジェノミクスと言う.
本稿では,まずファーマコジェノミクスの現状に触れ,さらに今後のオーダーメイド医療,オーダーメイド健康管理の展望を述べたい.
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