連載 エイズ対策を評価する・17
外国人のHIV/AIDS(上)
岩室 紳也
1
,
沢田 貴志
2
,
内野 ナンティヤー
3
,
岩木 エリーザ
4
,
稲垣 智一
5
,
上野 泰弘
5
1(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
2港町診療所
3TAWAN(日本に住むタイ人へ健康面の支援を行うグループ)
4特活CRIATIVOS-HIV/STD関連支援センター
5東京都福祉保健局健康安全室感染症対策課
pp.423-427
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101058
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岩室(司会) 今回は在日外国人の方々にとって,日本のエイズ対策はどのような成果を挙げているのか,どのような課題を抱えているのかを検証するため,在日外国人の医療に関わっておられる3名の皆さんからお話を伺います.まずは自己紹介をお願いできますか.
帰国を支援することから
沢田 私は在日外国人のニューカマーの人口が急速に増え始めた1991年から,医療に関わることが難しい方の診療を積極的に受けようということで,横浜にある診療所の内科医をしています.その中で当然エイズを発病する患者さんに多数かかわっています.また,「国際保健協力市民の会(SHARE:シェア)」というNPOで電話相談を受けており,おそらく100人以上のHIV陽性の外国人との接点がこれまであったかと思います.私どもの診療所では1992年ぐらいから,HIV陽性の外国人の方が来ていました.最初の頃は非常に深刻で,アフリカなど,開発途上国の方が,腎不全で,あるいは高熱で立てないような状況になって,行き場がなくなって友人に担ぎ込まれるというような事例が続いていました.
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