特集 公衆衛生とプライマリ・ケア
公衆衛生とプライマリ・ケアの協働
藤内 修二
1
1(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.583-587
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100921
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公衆衛生とプライマリ・ケアの協働の必要性やその可能性については,別稿ですでに述べられており,本稿では具体的な協働事例を紹介しながら,公衆衛生とプライマリ・ケアの協働におけるポイントについて論じてみたい.
協働事例1:糖尿病患者情報システム
「健康日本21」の一領域に挙げられるほど,糖尿病対策はわが国の保健医療行政の重要な課題となってきている1).特に,糖尿病の合併症は医療費の高騰につながるだけでなく,患者のQuality of Lifeを著しく損なうものであり,糖尿病のコントロールはプライマリ・ケア従事者にとって重要な使命である.しかし,糖尿病患者のうち,実際に定期的に通院をし,食事制限を守っている者は一部に過ぎない.教育入院や外来での指導があったにもかかわらず,コントロールがうまくできない患者は少なくない.こうした患者に対して訪問看護を行い,家庭での食事指導まで行っている医療機関もあるが,対象者も限られているのが現実である.
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