連載 日本学術会議環境保健学研究連絡委員会主催公開シンポジウム 環境と健康の危機管理・5【最終回】
企業における危機管理
豊田 伸治
1
1関西経営者協会
pp.155-158
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100815
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一般に危機管理というときには,クラウゼビイツの戦争論ではないが,何と戦うのかという仮想敵の存在を前提におかないと,危機管理の話は前に進まないと思う.
企業あるいは経営上の危機管理という場合には,ステークホルダー(stake-holder)とのかかわりの中で,企業の存在そのものが問われることが危機である.ステークホルダーとは,利害関係人と呼んでよく,株主であったり,自社の従業員,あるいは得意先,さらに金融関係や同業他社であったりするわけである.
こうした危機に陥らないためのマネジメントをどうするか,もし仮に危機が発生したときどう回避するかということが,一般的な企業あるいは経営上の危機管理である.
しかし,本稿では一般的な企業における危機管理には触れず,本シンポジウムの主題である「環境と健康の危機管理」に関して,今日の企業における課題の1つ,中高年勤労者を取り巻く労働環境問題,およびメンタルヘルスの危機管理を取り上げることにした.
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