綜説
中小企業における衛生管理の協同化について
東田 敏夫
1
1関西医大公衆衛生学教室
pp.652-658
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202345
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I.中小企業の衛生事情
わが国の産業労働者2,000万のうち,1,200万即ち全労働者の60%は29人以下の小企業の従業員で占めており,労働基準法による衛生管理者が設置されない50人未満の事業場で就業する労働者は全労働者の70%に及ぶであろう(第1表)。
労働基準監督年報によると,経営規模が小さい企業体ほど,労働基準法違反率が高く,違反事項には,安全衛生関係,とくに危害防止および環境衛生上必要な処置や健康診断の実施をおこたつている事例が多い(第2表)。
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