連載 New Public Healthのパラダイム―社会疫学への誘い・2
社会経済状態と健康
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.132-136
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100569
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科学が進歩すれば,常識とされていたことに対し,新しい疑問(リサーチクエスチョン)が投げかけられる.それを解き明かそうと様々な研究が行われ,やがて常識は塗り替えられる.
異なる社会経済状態・地位(socio economic status, SES)間における健康状態の格差についてのかつての常識といえば,貧困は不衛生な環境や低栄養をもたらし,それに起因する感染症死亡が多いことなどであろう.図11)に示したように,国民1人あたりの年間GDPの額を横軸に,平均寿命を縦軸にとると,年5,000ドルあたりまでは右肩上がりだが,その後はほぼ横ばいになる.
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