連載 医学ジャーナルで世界を読む・14
人間の安全保障にとって,「沈黙」は大きな敵である
坪野 良孝
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1東北大学大学院医学研究科公衆衛生学分野
pp.84-85
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100568
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2003年12月13日,東京国際フォーラムで開催された,「Human Security and Health:安全保障の視点から―人類の生存秩序と健康」に参加した.“Human Security”(人間の安全保障)をキーワードに,今日のグローバル社会の問題を,特に健康とのかかわりにおいて考えるという趣旨で,日本医師会前会長武見太郎氏の没後20年を記念して行われた国際シンポジウムだった.
三部構成の第一部にあたる「Human Securityの理論と実践」のセッションでは,1998年にノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン博士や,独立行政法人国際協力機構の緒方貞子理事長らによる講演と討論が行われた.第二部「よりよき生存とは? 武見太郎の今日的意義」では,ハーバード大学公衆衛生大学院に設置されている武見国際保健プログラムのマイケル・ライシュ教授による同プログラムの紹介や,WHO西太平洋地域事務局長の尾身茂氏による講演などが行われた.
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