連載 保健婦のための環境衛生学 環境問題と保健婦活動・8
社会的・経済的環境要因と健康
青山 英康
1
1岡山大学医学部衛生学教室
pp.744-747
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205775
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生体と環境の相互反応の中で健康の問題を捉える人間生態学の立場に立つ時,はたして社会的・経済的要因は人間主体の側の要因なのか,環境側の要因として検討すべきかは意見の分かれるところである。なぜならば人間はこの世に生を受けると同時に社会的な最小単位としての家族とか家庭における慣習の中で,衛生上の措置を受け,躾を身につけていくからである。
このように考えてみると,人間は生まれながらにして社会集団の一人の構成員としての存在であり,これら社会集団を構成している他人との絶縁状態での生活は考えられない。
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