特集 結核対策のリフォーム
飯場労働者の結核対策
池上 宏
1
,
小倉 敬一
1
,
前原 亜矢乃
2
,
西尾 恵子
2
,
木村 友子
2
,
鈴木 公典
2
,
志村 昭光
2
1千葉市保健所
2ちば県民保健予防財団結核予防センター
pp.192-195
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100540
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飯場労働者においては,定期の健康診断そのものの機会がなかったり,仮に受診の機会を得て結核が発見されても,病気に対する知識の不足,健康保険への未加入,失業への不安等の理由から,治療を受けず,そのために結核が進行し,重篤になるまで放置されることが多い.その間,飯場等で他の飯場労働者へ感染させたり,繁華街などで市民へ感染させたりする可能性があり,とりわけ飯場労働者への感染の連鎖は,重要な問題である.
千葉市における飯場労働者の結核
千葉市は東京都の東,京葉工業地帯の一角に位置している.市内には大手の企業やその傘下の下請け企業があり,そこでは多くの日雇い労働者が雇用されている.そのため,飯場と言われる簡易宿舎に日雇い労働者を寄宿させて,企業への日雇い労働者の就業斡旋を行う事業所が市内に多数存在する.その他大手の建設会社の子会社が,直接に従業員のための宿舎としての飯場を運営していたり,あるいは水道の配管工事を行う事業所の宿舎としての飯場があったりと,様々な形態の飯場がある.
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