特集 アニマルセラピー
聴導犬普及への課題―聴覚障害に関するリスクへの「理解バリア」
有馬 もと
1
1社会福祉法人日本聴導犬協会
pp.962-967
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100199
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聴覚障害のリスクと聴導犬
「豪雨を聴導犬は人に教えられるのですか?」
(福)日本聴導犬協会の講演会にいらした聴覚障害をもつ金沢在中のご夫婦からの質問だった.以前,石川県を豪雨が襲ったときに,地元の非難警報を知らず,1階まで水没した家屋の2階で翌朝目覚めた際の恐怖を,お2人は話された.会場の多くの聴覚障害者が,大きくうなずきながらその話を聞いていた.
聴覚は,人間にとって最も危険を感知する感覚といわれ,眠っていても,何かに集中していても,不振な音に気づいて難を免れた例は多い.聴覚に障害をもつことは「逃げ遅れ」や「災害に巻き込まれる危険性」の確率が高いといえる.
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