連載 性のヘルスプロモーション・2
[インタビュー]「性」を通して人は調和力と深い人間性を育む―障害をもつ人の「性」から教えられたこと
東野 洋子
1,3
,
岩室 紳也
2
1楽団あぶあぶあ&ミュージカルチームLOVE
2(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
3四天王寺国際仏教大学
pp.504-510
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100114
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岩室(司会) 初めて東野さんとお会いした時,「障害をもつ方との音楽活動は,彼らの性を抜きには歩んで来られなかった」と話されたのが,すごく印象的でした.
人柄の育ち
岩室 東野さんと障害をもつ人たちとのかかわりは,どんなふうに始まったのですか?
東野 ダウン症や自閉症の青年たちと「楽団あぶあぶあ」注)を結成したのは1982年,私が29歳の時でした.でも,私自身が初めて障害をもつ友だちと出会ったのは,小学1年生の時でした.カズちゃんという知的障害をもつ同級生がいたのです.カズちゃんはいつもうつむいて座っていて,だれも声を聞いたことがなかった.ある日,私はカズちゃんの膝に頭を乗せて彼女の顔を見上げました.すると,ニコッと笑ってくれて,それがとても嬉しかった.それから毎日,そうやってのぞき込み,私だけが知っているカズちゃんの笑顔にワクワクしていました.
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