特集 自然災害と公衆衛生活動
[保健所長インタビュー]新潟県中越地震を経験して―災害医療には心身両面の救援活動の体系を!
内野 英幸
1,3
,
阿彦 忠之
2
1前新潟県小出保健所
2山形県村山保健所
3現国立病院機構小諸高原病院
pp.450-456
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100098
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阿彦 昨年10月に新潟県中越地震が発生してから,ちょうど4カ月が経ちました.人の生命だけでなく,牛や錦鯉,そして魚沼コシヒカリを育む水田,地元企業の工場までも被害に遭ったとのこと.被災者の方々におかれましては,避難所生活から自宅あるいは仮設住宅の生活に移行して,年が明けたら大雪という状況の中,内野先生ご自身もこの間,地元の保健所長として,ご苦労の中でお過ごしになったことと思います.4カ月間の経過や現在の住民の方々の生活,当面の課題などについて,今日はお話を伺えましたらと思います.
阪神・淡路大震災との違い
内野 まず今回の震災は,よく阪神・淡路大震災と比較されますが,質的にも量的にも違っております.一言で言えば中山間地,人口過疎地を狙い撃ちして来た,「都市型ではない」という点が1つ.それと激震と言われてはいるのですが,それほど建物の崩壊や人災が甚大だったわけではない.ちなみに死者は12月27日現在40人.神戸の場合は6,433人でした.建物の全壊も2,819ですが,神戸の場合は10万余りです.桁が違いますね.
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