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Ⅰ.はじめに
高知県の高齢化率は2023年36.3%(内閣府,2024)と全国に20年先行し高齢化が進み,全国に15年先行し人口減が続き,高齢単身世帯数,高齢夫婦世帯数ともに増加している.認知症高齢者は2035年まで増加し続け,2025年には65歳以上人口のうち5人に1人が認知症になると見込まれている(高知県健康政策部保健政策課,2024).こうしたなか,高知県では,2010年2月に「日本一の健康長寿県構想」を策定し,保健・医療・福祉の各分野の課題解決に取り組んでいる.
筆者が所属する近森会グループは,人口が減少し競合病院が多い高知県において,急性期病床の絞り込みと回復期病床とを組み合わせ,機能が異なる3つの病院(近森病院489床・近森リハビリテーション病院180床・近森オルソリハビリテーション病院100床)と2つの訪問看護ステーション,障がい者の社会復帰を支援する社会福祉法人を有し,高度急性期から急性期,回復期,在宅までをカバーしている.近森病院の入院患者の平均年齢は,2000年から2022年までの22年間で10.8歳上昇し,患者の高齢化が年を追うごとに確実に進んでおり,入院患者の8割以上が65歳以上,6割以上が75歳以上となっている.
筆者は,超高齢社会において,高齢者にふさわしい医療・ケアの提供を目指し,2002年に老人看護専門看護師(certified nurse specialist in gerontological nursing;GCNS)の資格を取得し,GCNSとして活動してきた.第29回学術集会のテーマである「老年看護のしんか−進化・深化・真価−」の“進化”は,モノゴトが進歩して,より優れたものや複雑なものになること,“深化”は,なんらかの物事に対して,表面的なレベルでなく深めること,“真価”は本当の値打ちやモノや人のもつ,真の価値や能力のことである.さまざまに変化するなかで,老年看護はさらに前進しつづけていかなければならないという点では進化が必要であり,老年看護をより深めていくという点では深化も必要になってくる.その一方で,老年看護として原点に戻り,大切にしてきたことを見つめ直し,変えてはいけないもの,次の世代にも引き継いでもらわないといけないものがあり,これが真価ではないかと考え,学術集会のテーマに取り上げた.筆者自身のGCNSとしての実践を振り返り,それぞれの“しんか”について考えてみたいと思う.
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