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一般社団法人日本老年看護学会の活動は,定款第2条にある本会の目的「老年看護学の学術的発展と教育・普及,看護実践の質向上を図り,もって人々の健康と福祉に貢献すること」に向けて行われる.現在,この目的にある老年看護学の教育や普及は,安泰とはいいがたい状況にある.2024年8〜9月に文部科学省からパブリックコメントが求められた「看護学教育のモデル・コア・カリキュラム令和6年度改訂版(案)」では,老年看護学に特化した内容はわずかしか認められなかった.2022年度から適用されている保健師助産師看護師学校養成所指定規則では,実習の枠組みにおいて老年看護は成人看護と同じ枠のなかで4単位とされ,老年看護に特化された実習単位は提示されていない.各学校の自由裁量で6単位の実習が可能であるが,果たして各校の判断はどのようなものだっただろうか.
日本の看護基礎教育では,世界的に取り組みが進められている認知症ケアについて体系的に学ぶ設計にはなっていない.2024年1月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行された.このなかで,国民は認知症について正しい知識・認知症の人に正しい理解を深めることが求められている.そして,認知症の人の意向を十分に尊重しつつ,良質かつ適切な保健医療サービスおよび福祉サービスが切れ目なく提供されることが求められている.また,認知症の人自身がさまざまな活動に参画できるようにしていくことが求められている.法律で示されているということは,これらが不十分な現状であることを示していると思う.現場の看護師たち,そして老年看護学教育に携わる者はこの法律が示す理念を学び,実践や教育に反映しようとしているだろうか.多職種連携が進むなか,看護職だけが学んでいないとなると,共通の目標に向かって協働できないかもしれない.本学会のホームページには,プロジェクト委員会により認知症基本法を知ってもらうための記事を掲載しているので,ぜひご覧いただきたい.
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