その他
保存期CKD患者における看護実践及び成果評価に関する実態調査 第2報
小坂 志保
1
,
濵田 昌実
2
,
松村 直子
3
,
大橋 尚弘
4
,
久貝 波留菜
5
,
吉田 恵美
6
,
伊藤 美和子
7
,
岡 美智代
8
1東邦大学看護学部看護学科
2城西国際大学看護学部看護学科
3徳山中央病院看護部
4大阪医科薬科大学看護学部看護学科
5東京大学大学院医学系研究科
6九州大学大学院医学系研究院
7天使病院看護部
8群馬大学大学院保健学研究科
pp.35-47
発行日 2025年10月31日
Published Date 2025/10/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134473270270020035
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【目的】多職種による慢性腎臓病透析予防策の発展に資する基礎資料とすることを目的として,CKD療養支援における評価指標,主要アウトカム,看護師の専門性の活用,多職種連携の実態,CKD療養支援の活動に関する周知活動をそれぞれ調査した.
【方法】日本腎不全看護学会員の看護師を対象にWeb調査(Google Forms)を用いた横断調査を実施した.調査項目は回答者の属性,保存期CKD療養支援における評価項目と評価頻度,連携している職種,連携している看護師の持つ資格,病院組織・地域組織への周知活動とした.
【結果】保存期CKD患者への看護実践経験がある186名より回答を得た.保存期CKD療養支援では,腎機能・糖代謝・身体指標は全体の8割,脂質代謝・電解質指標は約5〜7割で評価され,評価頻度は1〜3か月に1回であった.追跡している主要アウトカムは腎代替療法選択の種類が全体の3割未満,死亡は約2割,CVD発症は1割程度であった.連携している職種では腎臓専門医と専任管理栄養士,連携する看護師の持つ資格は慢性腎臓病療養指導看護師の割合が最も多かった.病院組織への周知活動について算定群は非算定群と比較して有意に実施している割合が高く,地域組織への周知活動は全体で4割程度の実施にとどまった.
【考察】推奨項目の一部の評価,主要アウトカムの追跡は十分でなく,今後,急性転帰の予防と長期予後の改善を日常の生活支援を結びつける視点を持ち,関連学会と連携し縦断調査の実施によるエビデンス構築と,標準的な看護指針の整備が求められる.
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