特集1 「あの訪問での失敗」が教えてくれたこと
私たちもこんな失敗をしてきました
自己満足の看護をしてしまった
村尾 眞治
1
1訪問看護ステーションReaf
pp.108-110
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610290020108
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問題解決思考が強く、視野が狭くなっていた
私は高校卒業後の1990年に単科の精神科病院に看護助手として入職して以来精神科医療に携わっています。精神科訪問看護には、急性期と慢性期病棟を経験したのち、27歳で院内の訪問看護室に異動して現在まで四半世紀従事しています。
訪問看護を始めた当初は看護師としての経験や知識は浅かったものの、自ら訪問看護室への異動を強く希望していたので、頑張っていくとの思いだけは強く持っていました。今もその気持ちは忘れていませんが、振り返ってみれば当時の自分は独り善がりで、客観的に物事を見る余裕を持っていなかったように思います。看護師として「何かしないといけない」「何かしてあげないといけない」といった考えで、関わりの中で問題解決思考が強く、対象の方を自分の価値観だけで問題を捉え、余計なことをしていたと振り返ります。こんな状況であったため、わかりやすくいうとよく失敗をしていました(当時お付き合いしていた利用者の方々には、本当に申し訳ない思いを持っている)。本稿では、その頃に失敗した1事例を振り返りながら、病気や問題だけにとらわれずその人を見るということについて考えたいと思います。

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