特集 精神展開剤とは何か? 社会に与えるインパクトとは?
—各論①—精神展開剤の臨床試験における最新エビデンス
谷 英明
1
1慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室
pp.14-19
発行日 2026年1月15日
Published Date 2026/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610290010014
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近年、これまで治療が難しいとされてきた心の病気に対して、「精神展開剤」と呼ばれる薬を使った新しい治療法が世界的に注目されています。精神展開剤は、ものの感じ方や考え方を大きく変えたり、不思議な体験をもたらしたりすることがあります。もともとは海外で宗教的な儀式などに使われてきました。20世紀には、LSDや「マジックマッシュルーム」に含まれるシロシビンといった成分が、精神医学の研究で盛んに使われました。しかし、その後「規制薬物」とされて研究は一時期止まってしまいました。
ところが近年になって、うつ病やターミナルの病気に伴う不安や気分の落ち込み、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、依存症などに対して改めて臨床試験が行われるようになり、その効果が見直されています。たとえばシロシビンは、わずか1〜2回の投与で、迅速かつ半年から1年にわたる持続的な抗うつ効果を示すと報告されています。

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