連載 エビデンスと実践をつなぐ 量的研究論文の読み方・使い方・11
エビデンスを実践に活かすには①
加藤 憲司
1
1神戸市看護大学看護学部
pp.648-650
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200501
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なぜEBPが進まないのか
本連載もいよいよ佳境に入ってきました。今回と次回は,「エビデンスをどのように実践で活用するか」について,先進事例をご紹介しながら考えていきたいと思います。
後述の先進事例の文中にあるように,「エビデンス」という言葉はわが国でも,看護師の皆さんの間に浸透してきています。しかしながら,研究と臨床実践とをつなぐEBPの考え方が十分普及し定着しているかと言うと,残念ながらそうではないようです1,2)。なぜEBPがなかなか進まないのでしょうか。1つには,看護実践をサポートする良質で信頼できる科学的エビデンスの数がまだ少ないことが挙げられます。もう1つは,エビデンスを利用するユーザー側に,さまざまな制約や障壁があるからだと考えられます3)。
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