日本看護診断学会・第30回学術大会報告 【シンポジウム・2】
在宅看護における『NANDA-I看護診断—定義と分類』の可能性
吉良 桂子
1
Keiko Kira
1
1株式会社オリヴィエ訪問看護ステーション国立メディカルケア
1Olivier Inc. Kunitachi Medical Care Home-Visit Nursing Station
pp.69-74
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134130070300010069
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I. 序論
訪問看護ステーションの看護記録に関する実態調査では,看護理論やモデルの活用度は1割程度と低かったことが明らかにされている(白尾ら,2016).自施設においても,訪問看護計画の作成にあたっては,共通の枠組みは使用せず,看護師各人が学生時代に学んだ,あるいは病院で使っていたアセスメントの枠組みを使用して,各人が看護問題を把握し,看護計画が立案され,自施設内で共有されている.
訪問看護計画書は『訪問看護業務の手引』(社会保険研究所,2021)に示されている様式に則って記載される.この様式には看護リハビリテーションの目標,看護計画(看護問題,看護目標,介入計画),そして評価を記載する欄が設けられている.そこで,当社居宅介護支援事業所のケアマネジャーに提出される他施設の訪問看護ステーションの計画書,報告書を見ると,評価の欄にはプログラム継続と書かれているものがある一方,自施設では目標に対する評価として「達成」「ほぼ達成」「不達成」といった記述をしているなど,同じ様式を使用していても,その表記の仕方は統一されていない.何を,どのような指標を用いて評価するのか,明確ではない.
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