連載
THE Editorials
pp.411-413
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330040411
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The New England Journal of Medicine
Perspective:
McLellan AT, Volkow ND. Goals for opioid use disorder medications — protection, remission, and recovery. N Engl J Med 2025;393:1253-5.
■オピオイド依存症患者の治療で困惑したこと
米国では,フェンタニルなどの合成麻薬を含むオピオイドに対する依存症が深刻な問題となっており,opioid crisisとよばれている。依存症といえば,古くはアルコール依存症があるが,現代では覚醒剤やギャンブルへの依存症などが社会的な問題として取り上げられることが多い。いずれの依存症でも健康状態や社会生活がむしばまれる状態となる。薬物依存症にかかわる問題行動のために家族や友人から距離を置かれ,孤立している患者も多い。感染症や自殺のリスクも増加する。米国のオピオイド依存症には,術後のオピオイド使用が一部関係しているともいわれている。
以前,麻薬中毒症により学会を除名処分とした会員に対し,学会としてどのように手を差し伸べるかで困惑した事例も思い出される。米国でオピオイド使用障害opioid use disorder(OUD)によりメサドン治療を受けている患者の麻酔を行い,鎮痛で苦慮したこともある。鎮痛治療の重要な手段としてオピオイドの利点を最大限に活かし,欠点を最小限にとどめるために努力している麻酔科医として,麻薬依存症の治療についても理解を深めておく必要があるのではなかろうか。

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