徹底分析シリーズ ファシアの科学—痛みの治療と手術における新たな視座
手術におけるfascia—膜から線維へ,新しい人体観による手術
川島 清隆
1
Kiyotaka KAWASHIMA
1
1熊谷総合病院 泌尿器科
pp.254-259
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330030254
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fasciaは従来,臓器を覆い隔てる膜様構造と認識され,手術において剝離の重要なメルクマールとされてきた。しかし“膜”としての認識は曖昧で,混乱も少なくない。近年の新しいfascia認識は,独立した膜ではなく,疎性結合組織,脂肪も含め広く結合組織ととらえ,さらにその本質を,細胞外マトリックスとして考えることで,線維による立体的網目状構造を基本構造とした全身に連なるシステムであるとするものである。これは膜解剖の問題を解決するだけでなく,解剖観を一新し,精緻で低侵襲な手術の実現につながるものでもある。新しいfascia認識と,それが手術に与える影響,そしてそこから見えてくる新しい人体観について解説する。

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