特集 骨盤臓器脱(POP)のすべて-診断と治療の最前線-
疫学・診断 骨盤臓器脱の診断・治療に必要な骨盤の解剖 fasciaの構造と変化から謎を解く
谷村 悟
1
1富山県立中央病院 母子医療センター産婦人科
キーワード:
局所解剖学
,
筋膜
,
骨盤骨
,
骨盤内臓器脱
,
仙骨子宮靱帯
Keyword:
Pelvic Bones
,
Fascia
,
Anatomy, Regional
,
Pelvic Organ Prolapse
pp.1033-1039
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021321209
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骨盤臓器は骨や筋肉、靱帯で支えられるとされており、各臓器間にはいわゆる「あわあわ」な結合織が存在する。この結合織は単なる梱包材や通路ではなく、1つの臓器として多彩な役割が報告されつつある。また筋膜(中隔)とよばれる腟壁とは別構造の強い膜構造が膀胱や直腸腟間にあるとされてきたが、それはfasciaが変化したものであろう。従来骨盤臓器支持の重要な要素とされてきた骨、筋肉、靱帯と臓器の連携をとり、力を伝えているのはfasciaである。
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