技術講座 病理
好銀線維および基底膜の染色
鬼頭 花枝
1
1愛知県がんセンター研究所
pp.66-67
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200252
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1.好銀線維(細網線維あるいは格子線維)
好銀線維はほとんどの全身諸臓器に見いだされ,間質結合織の重要な一構成成分である.この線維成分は肺,脾,肝,リンパ組織,骨髄,皮下結合織などに比較的多量に含まれ,これら諸臓器内網内系組織を構成する細網細胞および細網内皮と共存している.種々の網内系疾患(炎症,腫瘍)の際に,この線維の増減とともに形態変化かみられるようになるが,細網肉腫,リンパ肉腫,ホジキン病,バンチ病などの組織診断に好銀線維染色が広く行なわれているのはこのためである.染色原理は好銀線維に銀粒子が吸着する性質を利用したもので*,試薬の調整が多少異なる程度で種々な鍍銀法がある.
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