徹底分析シリーズ アナフィラキシーを再考する
筋弛緩薬による周術期アナフィラキシー—IgE依存性からMRGPRX2まで機序にもとづいた臨床的考察の重要性
鈴木 康之
1,2,3
Yasuyuki SUZUKI
1,2,3
1済生会松山病院 麻酔科
2愛媛大学大学院医学系研究科 薬理学
3済生会保健・医療・福祉総合研究所
pp.886-893
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320090886
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なぜ筋弛緩薬によるアナフィラキシーは初回投与でも発症し得るのか。なぜ皮膚症状だけで治まる軽い過敏反応症例がある一方で,循環動態が急速に破綻する重症例が存在するのか。
本稿では,こうした臨床の疑問に対し,大学院生時代にヒスタミン受容体の研究に携わり,この分野に引き込まれていった一人の麻酔科医として,ヒスタミンに着目しながら好塩基球と肥満細胞という二つの主要な免疫細胞の役割,およびIgE非依存性経路として注目されるMRGPRX2の関与について多角的に検討する。

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