症例ライブラリー 下肢の末梢神経ブロックがうまくいかない
巻頭言
笹川 智貴
1
1東京女子医科大学 麻酔科学分野
pp.323
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320040323
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- 文献概要
2024年4月号の「腕神経叢ブロックがうまくいかない」に引き続き,「神経ブロックがうまくいかない」を取り上げます。
下肢手術は整形外科,血管外科,形成外科など,手術室で日常的に遭遇します。これらの手術では,術中および術後の鎮痛管理に加えて,術後の運動機能の回復にも留意する必要があります。特に,リハビリテーションや歩行機能への影響を考慮すると,腕神経叢ブロックや体幹部のブロックとは異なる独自の困難さが伴います。
今回は,下肢末梢神経ブロックの中でも特に臨床での使用頻度が高いものに焦点を当て,期待した効果が得られなかった症例について検討します。また,股関節手術や大腿切断(膝上切断)など,ブロックの成否が術後管理に大きく影響を及ぼす手術手技についても取り上げます。
本症例ライブラリーが,読者の「ブロックがうまくいかない」理由を明らかにし,実臨床での成功率向上の一助となれば幸いです。
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