症例ライブラリー 腕神経叢ブロックがうまくいかない
巻頭言
笹川 智貴
1
1東京女子医科大学 麻酔科学分野
pp.319
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202874
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- 文献概要
腕神経叢ブロックは,上肢手術やペインクリニックで頻用されるスタンダードで重要なブロック手技の一つである。歴史のあるランドマーク法から超音波ガイド下法へと発展し,より安全確実にブロックの効果が得られるようになった。しかし,臨床でブロックを何度か行うと,ちょっとした「うまくいかない」経験をすることがある。
今回の「うまくいかない」というテーマは少しあいまいな表現だが,麻酔科医がさまざまな合併症や困難事象を臨床で経験した時に感じる身近でリアルな感覚を表している。今回,腕神経叢ブロックを施行する症例を部位ごとに五つ提示し,それぞれの問題点と解決法を解説する。腕神経叢ブロックが「うまくいかない」とは実際どのような状況に陥っているのか,どのようにすれば「うまくいった!」になるのか,各症例で示された思考のプロセスと根拠を,次の成功体験への一助としてほしい。
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