症例ライブラリー —こんなことがないように—クスリのリスク
全身麻酔導入後,静脈ルートの滴下ができなくなった
須田 拓郎
1
Takuro SUDA
1
1山形県立中央病院 麻酔科
キーワード:
配合変化
,
チオペンタール
,
ロクロニウム
,
DNTP
Keyword:
配合変化
,
チオペンタール
,
ロクロニウム
,
DNTP
pp.246-249
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320030246
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■症例
5歳の男児。身長100cm,体重18kg。遊具で遊んでいて受傷し,右橈骨骨折の診断となった。出生・発達に問題はなく,内服薬や治療中の疾患,アレルギーもなかった。全身麻酔下に整復固定術が計画されたが,受診が夜間だったため,翌朝の手術室入室予定となった。最終飲食も受傷前であり,フルストマックではない状態での入室となった。
前日に救急外来で左手背に24Gの末梢静脈ルートが確保されており,入室の時点で十分な滴下が確認されていた。担当した麻酔科専攻医は100%酸素で前酸素化を行った後に,フェンタニル20μgを側管から静注した。続いてチオペンタール75mgを静注し入眠を確認した後,マスク換気を行いつつ,セボフルランを2.5%で吸入開始し,続いてロクロニウム10mgを静注した。この直後から,静脈ルートの滴下ができなくなっていることに気づいた。
さて,あなたならどうする?

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