症例ライブラリー —こんなことがないように—クスリのリスク
全身麻酔を導入後,吸入麻酔で維持したが……
道宗 明
1
Akira DOSHU-KAJIURA
1
1日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野
キーワード:
気化器
,
新鮮ガス流量
,
呼気終末麻酔ガス濃度
Keyword:
気化器
,
新鮮ガス流量
,
呼気終末麻酔ガス濃度
pp.238-241
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320030238
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■症例1
50歳の男性。身長170cm,体重65kg。特記すべき既往なし。右脛骨腓骨骨折に対し,全身麻酔による観血的整復固定術が予定された。
担当麻酔科医は心電図,血圧計,パルスオキシメータ,bispectral index(BIS)センサーを装着後,6L/minで100%酸素投与を開始した。レミフェンタニルを0.5μg/kg/minで持続投与し,フェンタニル100μgを投与した後,プロポフォール120mgとベクロニウム6mgの急速静注を行って,気管挿管を行った。挿管終了後,セボフルラン気化器のダイヤルを1.5%に設定し麻酔を維持した。
整形外科医がCアーム透視下に患肢を整復位に動かすと,血圧が急上昇しBIS値も75となったため,プロポフォールを20mg静注し,セボフルランのダイヤルを2.5%に設定した。その後,手術開始となったが,やはり血圧の変動と高いBIS値が続いた。
さて,何が起きているのだろうか?

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