徹底分析シリーズ 血漿分画製剤
各論3 アンチトロンビン製剤とトロンボモデュリン製剤—最適な治療対象を考える
梅村 穣
1
Yutaka UMEMURA
1
1大阪急性期・総合医療センター 救急診療科
pp.174-178
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320020174
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播種性血管内凝固(DIC)の主要な基礎疾患として敗血症,固形癌,血液悪性腫瘍が知られているが,そのほかにも集中治療室における多くの病態がDICを引き起こす可能性がある。2010〜2017年における日本のDIC患者32万5327症例の診断群分類別包括評価制度diagnosis procedure combination(DPC)データをもとにした研究1)では,DIC症例の死亡率は経年的に改善しつつも2017年時点で36.1%と極めて高い。アンチトロンビン(AT)製剤とヒト遺伝子組換えトロンボモデュリン(rTM)製剤は,DICの治療薬として日本では広く使用されているが,国際的にはその評価は定まっておらず,また最適な治療開始基準の確立など未解決の臨床課題は多い。
本稿では,DIC治療薬としてのAT製剤,rTM製剤に関して,その現状と課題を解説する。
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