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はじめに 看護記録率改善に向けて
近年,データに基づく意思決定や業務プロセスの見直しを通じた組織変革が求められ1),看護管理の領域でもDigital Transformation(以下,DX)の推進は重要な課題である。こうした流れの中で,看護の質や患者アウトカムを評価するためには,看護実践が適切に記録され,データとして蓄積されていることが前提となる。そのため,看護記録率(以下,記録率)を定期的に把握し改善を図ることは,質の高い意思決定を支える基盤となる。
大阪大学医学部附属病院(以下,当院:表)においてもDX推進の取り組みの1つとして,電子カルテデータを用いた看護記録量的監査の自動化(以下,自動監査)を導入した2,3)。この自動監査により,クリニカルパス(以下,パス)やケア予定の記録率などを部署別,日ごとに可視化できる体制が整備された。
しかし,量的監査を自動化しても,それだけで意図した改善が直ちに実現するとは限らない。本部署(内科系病棟50床,所属看護師28人)では,自動監査結果が電子カルテの所定のフォルダ内に日々蓄積され,誰もが閲覧可能であったにもかかわらず,実際に活用していたのは一部の看護管理者と,部署内で記録の質向上の役割を担う担当者(以下,記録係)に限られ,部署の記録率は低い状況が続いていた。すなわち,監査の自動化のみでは記録率の改善には至っていなかった。
そこで本部署では,この課題を踏まえ,運用設計による記録率の改善に取り組んだ。2025年4〜12月を対象期間とし,前期(5〜9月)は記録状況の掲示や声かけを中心とする運用を行い,後期(10〜12月)には夜勤メンバーが毎日自動監査結果を確認する運用へと移行した。本稿では,本部署におけるDX導入後のデータ活用の過程を整理し,記録率改善に向けた取り組みとその結果について報告する。

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