実践報告
電子カルテデータを看護管理や看護実践に活かす—情報担当看護師の活動紹介
中谷 安寿
1
,
鍋谷 佳子
1
,
仲島 圭将
2
,
村田 泰三
3
,
平尾 幸美
1
,
岩崎 朋之
1
1大阪大学医学部附属病院看護部
2大阪大学大学院医学系研究科医療情報部講座
3大阪大学医学部附属病院医療情報部
pp.680-685
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202216
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はじめに 情報担当看護師の役割と実践
看護師は実践した看護や注射の実施記録などを電子カルテに入力しており,病院情報システムのデータベースには膨大かつ多種多様なデータ(以下,データ)が日々追加・更新されている。看護管理者にとって,現場の状況把握や看護の質評価を行うために,データの活用は欠かせない。
大阪大学医学部附属病院(以下,当院:表)では,看護部長に任命された情報担当看護師が2名配置されており,その役割としては,病院情報システムの改変,看護関連システムのマスタ管理,データ分析・活用などがある。情報担当看護師は,上記の役割に関する仕事や医療情報部との連携,所属する看護記録委員会での活動など,実務を通じた職場内の訓練(OJT:On the Job Training)を通して必要な知識を習得し,その育成が図られている。
筆者(中谷)は,副看護師長として病棟で勤務を行いながら,情報担当看護師の役割を担っている。そして,電子カルテやデータ分析など,現場のニーズや課題を日常的に収集して,情報担当看護師の活動に活かしている。これまで筆者(中谷)は,現場からの依頼を受けて受動的に活動するのではなく,能動的に組織横断的な活動をしており,毎年看護師全員で手動で行っていた看護記録量的監査の自動化1)などの取り組みをデータを活用して行ってきた。
当院では,電子カルテ内にデータマートやクリニカルダッシュボードなどのシステムを導入している。本稿では,各システムを活用して行った,データを看護管理や看護実践に活かす取り組みについて紹介する。
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