連載 ウェルビーイングが導く患者中心の医療の未来・9
人生100年時代のウェルビーイング—大きなステージ変化を生きる力を育もう
秋山 美紀
1
,
清水 幸裕
2,3
,
前野 マドカ
4
1慶應義塾大学環境情報学部
2特定医療法人財団五省会 西能病院 内科
3前南砺市民病院
4EVOL株式会社
pp.78-83
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550360010078
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はじめに
1990年代初め,100歳の双子の姉妹きんさん・ぎんさんがマスコミに登場し,大きな注目を集めました。2人は当時の史上最高齢の双子で,テレビコマーシャルやCDデビューも果たしました。あの頃から30余年が経ち,2025年9月現在,日本で100歳以上の人(百寿者)は9万9763人(うち女性が約88%)となりました1)。百寿者人口は55年連続で過去最多を更新中で,来年にはいよいよ10万人を超えることになりそうです。私たちにとって「人生100年」という言葉は,現実味のある身近なものになってきました。
生まれてから約20年間は主に教育を受ける期間,その後,社会で働く期間が約40年,その先の約30〜40年が高齢期です。高齢期には自立して自分らしいチャレンジや自由を謳歌できる期間もあれば,病気や加齢をきっかけに援助やケアを受けて生活する期間もあります。そして誰にでもやってくる「死」に向かう最期の日々もあります。一言で「高齢期」と言っても,一括りには論じられない変化に富んだステージがあります。
加齢によって身体も心も変化をしていく中で,私たちはどんな心持ちで,老いや衰えを受け入れながらも,最期までウェルビーイングでいることができるのでしょうか。今回は,決して短くはない高齢期を前向きに生きるために重要と思われるいくつかの概念を紹介しながら,人生100年時代のウェルビーイングについて掘り下げていきたいと思います。

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